『三重県立美術館』に併設されていたフレンチレストランがありました。
『ミュゼ・ボンヴィヴァン』。
2003年から2023年まで営業されていたのですが、昨年一旦お店を閉じられまして。
昨年、名前を変え、伊勢市にて新たに一軒家のフレンチレストランをオープンしました。
『銀次郎』です。
『ミュゼ・ボンヴィヴァン』は、従業員の方も多い、なかなか大きなお店でした。
この日初めてお店にお邪魔してビックリ。
シェフの出口さんと、調理スタッフ一名、フロア一名の小体なお店。
しかして内装をはじめ、凝りに凝っていて。
夫も私も、ワクワクが止まりません。
自家製ツナ入りのミネストローネ。
ミネストローネというと、トマト風味の味の濃い・・・というイメージがあるのですが真逆です。
滋味深く、どこまでも優しく。
生のマグロを使った自家製ツナがめちゃくちゃ美味しい。
蟹の身がさらに旨味を増し、ローストしたアーモンドで香ばしさとコクが。
出口シェフ考案の海老とハーブのおかきが、スープを吸って美味しいのなんの。
こ、これはお酒が欲しくなります。
しかしてこの日は昼!
しかも駐車場の状況がわからなかったので、私のチンクエチェントちゃんでの出動。
そもそもM子は昼は飲まないと決めているので、夫に存分に飲ませましょうぞ。
パンももちろん自家製。
全粒粉を使い、胡麻が入っています。
軽いというか、ちょっと独特な食感で癖になります。
前菜盛り合わせ。
これをいただいた瞬間、なんていうのかしら。
『ミュゼ・ボンヴィヴァン』とは全く違う次元のフレンチに進化したと、感動しました。
もちろんミュゼ時代も美味しかったのですが、これが出口さんが本当に作りたかった料理なのでは、と。
手前はブリのカルパッチョ、左奥はブリのスモーク。
出口さんが釣ったブリなんですよ。
で、和食だったら熟成させるかもしれませんが、これはとれとれで身が引き締まっているの。
それがまた美味しいの。
カルパッチョはもちろん、スモークが美味しすぎて食べるのがもったいないくらい。
乗っているタプナードと合いすぎるでしょ。
さらに驚いたのがイクラ。
なんとスパイスと蜂蜜で漬けてあり、生まれて初めての味わいです。
塩味じゃないの。
なのに美味しいの。
もしかしたらアニスの風味かしら。
使われているビネガーは、お庭の金木犀で風味付け。
衝撃を受けた魚料理。
圧巻。
三河産の鰻、モンサンミッシェル産のムール貝、自家製からすみ、長野県産の松茸、アンチョビソース。
え、こんなに素晴らしい食材が集まっちゃって良いの?
この食材が集まった結果、こんなに美味しい料理が生まれちゃうの?
と、夫と二人で、本気で思いました。
どれとどれを組み合わせても『美味しすぎる』しかないんですよ。
一例を挙げますと、鰻は皮ははパリパリで身は蕩けるようで、そこにムール貝のスープとカラスミのネッチリした旨味、松茸の香り・・・芳醇の極み。
食べ終わりたくない料理って、本当にあるんですよ。
いつもそれが不意打ちで来るので、ものすごく嬉しいダメージを受けます。
M子のメインは『松阪肉の頬肉の赤ワイン煮込み』。
うわあ。
ナイフがいらないくらいトロトロです。
どこまでも深く、素晴らしい味わい。
赤ワインに滅茶苦茶合うんだろうな。
思わず、「やられた!」と言ってしまった。
今年生まれた雄鹿のもも肉、実山椒ソース。
正直、三重に来てから鹿は馴染のある食材なのです。
だから今回、私は牛にしたのですが。
この鹿は初めて食べました。
ほぼ子鹿ですよね。身の色が淡いです。
そして身の繊維が絹のように細かく、滑らか!
シルキーとしか言いようがない肉質。
そこに実山椒のソースなんですが、山椒の痺れ感はほとんどなく、香りのみ。
それがはんなりとした鹿の肉に合うのです。
これはすごいなあ。
ぜひとももう一度食してみたいです。
デザート。
ベリーのフラン、蕎麦の実の蜂蜜と醤油のアイス。
ベリーのフランもソースも、甘さ酸味ともに穏やか。
そうなのです。
こちらのお料理、どれもすべて美味しいのはもちろん、味が『出過ぎない』のです。
舌に優しいというか。
アイスは醤油がカラメルのようなアクセントとなり、とても美味しい。
固まった瞬間の柔らかさなので、溶けないうちにいただきます。
はぁ・・・。
最後の一口まで大満足でした。
なんとか年内に!
夜!
お邪魔したいです!
お店の前の駐車場は普通車が2台停められる程の広さ。
裏にも駐車場があり、そこならばキャンピングカーも停められるとのこと。
楽しみだ!
ご馳走様でした(*^^*)
銀次郎
住所 三重県伊勢市小俣町明野1077
TEL 0596-63-6766
営業時間 11:30〜13:30 18:00〜19:30
定休日 月曜日、火曜日ランチ
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