ことの発端は、夫の体重がやや戻りつつあること。
そこで彼は決心しました。
「ボクちん、明日からもう一度ダイエットする!」と。
だからその前に、カロリーが高くて美味しいものを食べておきたい、と。
だからって何だよ・・・と思いましたが、美味しいものをいただくのは大賛成。
二人で仲良くお店を吟味した結果。

伊勢の『伊な勢』。
韻を踏んでいます。
つい、粋でいなせな傾き者~・・・とか言ってしまいそうです。
にしても立派です。
この門は、朝熊山にあった古い門を移築したそうです。
で、何のお店かというと、


お鮨屋さんでございます。
店の外のおしながきは、なかなか風雅。
とりあえず中へ。


外のおしながきの他に、ランチメニュがございます。
画像のほかに、
●小鉢
●本日の一品
●すし五貫
●味噌汁
●茶碗蒸し
から成る、2000円のランチもありました。
しかし「折角来たのだから!」の精神で、期間限定3000円のランチに決定。


本日のにぎり。
見てください。このそそりまくりな文字たち。
鮭児、しろ海老の昆布締め、〆さば(大好物)。
忘れ巻って何ですか?ミョウガが入っているからですか?


本日のおすすめ。
うわあ・・・。
できることなら、ランチではなく、これらをお好みでいただきたいです。
けれども、一見のお店でそれは危険です。
値段がというより、「外したらどうしよう」だからです。
なので、本日はとりあえず、無難なところで。
・・・と言いつつ、きついです。くうぅぅぅ、天然ぶりのカマ塩焼き、食べたい~。


先付けの「わかさぎの南蛮漬け」です。
これが微妙・・・。
玉ねぎの切り方が大きくて雑な上、水にさらしていないので、辛いです。
ちょっとわかさぎの味を殺している感じがします。
この先、大丈夫かな・・・。


と思っていたら、こちらは大当たり。
小鉢の、煮物です。
出汁が良い塩梅です。
生麩はムチムチしつつ出汁をしみこませており、河豚皮の煮凝りは、口の中ではらりと解け、皮がこりこりとします。
期待が高まります。


本日の一品の、天麩羅。
キス、メゴチ、シシトウ、茄子。
衣はあくまでも薄く、カラリと揚がっていて、M子好みです。


つけ塩。
青さ海苔とゴマ入り。
青さ海苔の香りが、天麩羅の油とよく合います。


そしてこの茶碗蒸しが!
今までいただいた中で一番美味しかったかもしれません。
具は銀杏などの季節のものなんですが、蒸し加減が素晴らしい!
液体だった卵液が固体になった瞬間、という感じです。
出汁の味もでしゃばらず、かと言って控えすぎずといった、ちょうど良い味わい。
お代わりしたくなりました。
で、ここからがようやくお鮨です。


本マグロの中トロとボタン海老。
中トロは脂がのりつつも臭みやくどさ一切なし。
そして特筆すべきは、このボタン海老。
口に入れた瞬間、思わず「ふふふ」と笑ってしまったほど。
ねっとりとしていて、甘くて、歯ごたえがあって・・・。
無茶苦茶美味しいです。


ちなみに、このように供されます。
生姜を境に右が夫で左がM子。
食べ終わるのを見計らって、二貫ずつ出してくれます。


メジマグロと平目。
メジマグロは子供だそうで、赤身独特の鉄っぽい香りがなく、かなりあっさりとした味わい。
平目はコリコリではなくむっちり。噛めば噛むほど味が出てきて、飲み込みたくない気分です。
にぎりを出すごとに、ご主人が魚の名前と産地まで説明してくれます。
親切です。
その上、カウンターにいるお客さんすべてに目を配っていて、どの席もタイミングよくお料理が出ている様子。
結構若い(38歳らしい)のに、かなりしっかりしています。
いつも腑抜けたM子は、見習いたいです。


ボタン海老の味噌汁。
これが、甘~いんですよ。
イヤな甘さではなく、海老から出る出汁の甘さと、こちらでは珍しい白味噌の甘さ。
美味しいな~・・・としみじみしてしまいました。


ガ━━Σ(゚Д゚|||)━━ン!!
ここで痛恨の「サーモン」。
私以前、他のお店をお邪魔した際、「私は鮭(サーモン)を、まともな寿司屋の寿司ダネとして認めません。」と書いているんですよ。
正直、「何故ここまで来て?」という気持ちがしました。
しかしまあ、実はこのお店のご主人は「大寿司」で修行された方。上記の発言となったお店のご主人とは「同門」に当たるわけですね。
ということは「大寿司」がサーモンを気に入っていたのかな・・・などと推測してみたり。
ここまで美味しく来れたので、今日のサーモンには目を瞑ります!
との勢いで、いただいたところ。
やはりサーモンはサーモンでした。
サーモン話で霞んでしまってブリさん、ごめんなさい。
隣はブリです。
ブリといえば脂がくどい、との先入観が覆されますよ。
何と言ったらよいのか・・・爽やかな味です。
正直、教えていただかなかったら、何かわからなかったでしょう。


ホタテと玉子で〆。
玉子がふんわりじゃなくてみっしり系で、懐かしいというか、後を引く味でした。
こちらは皆そうですが、にぎり一貫が東京の江戸前に比べると、やや大きめです。
なので、かなりお腹がいっぱいになります。
次回は(既に来る気満々)、ごはん小さめで、とお願いします。


牛乳風味たっぷりなアイスクリームで、おしまい。
久々にお鮨らしいお鮨をいただいた気がしました。
この後訪れた河崎の商人町が、予想以上に楽しかったので、是非また訪れたいです。
その時は「にぎり」+「茶碗蒸し」で行きます!
ご馳走様でした。[#IMAGE|S58#]
伊な勢
住所 伊勢市神久5-1-35
TEL 0596-26-0008
営業時間 11:30~14:00
17:00~22:00
定休日 月曜日