おほほ。
たまに帰省すると、両親がもてなして、「労わって」くれるのでありがたいです。
「たまに」というところがミソですね。
クリスマスイブに銀座に繰り出しました。
そりゃあもう、すごかったですよ。
昼間だというのに、街中がキラキラと輝いています。
シャネルにヴィトンにカルティエに・・・山から下りてきたM子は、激しく挙動不審。
もう都会では暮らせないかも・・・と実感しました。
だがしかし!
食べ物は別ですに!
やって来ましたのは、『銀座 天一』。
外観を取り忘れました。
くうぅ。一生の不覚。
裏通りにひっそりと佇むお店ですが、押しも押されぬ名店です。

サラダ。いきなり拍子抜けてしまい、申し訳ないです。
今回は8500円くらいのコースを注文いたしました。
このサラダ、ウドが入っていたりと、ちょっと「おおっ」と思わせる趣向。


こちら、シイタケの軸のしぐれ煮。
M子シイタケまったくダメです。
なのに、これは美味しい!!! びっくり!!!
あのシイタケ臭が一切なく、歯触り的には、牛肉の繊維のようです。
日本酒の熱燗が欲しくなる味でした。


ようやく天ぷら。
才巻海老です。
この前に足が出ました。油を感じさせない揚がりっぷりで、サクサクでしたよ。
で、身の方はというと。
小ぶりな才巻ながら、味はしっかり。
衣は「カリカリ」というほど硬くはなく、さりとて、ふんわり柔らか系でもなく・・・軽めで「サックリ」といった食感。
中はレア・・・とまではいきませんでしたが、しっとりと瑞々しかったです。


アスパラガス。
衣の中でアスパラガスの水分がじゅくじゅくと沸騰しているのが、透けて見えます。
やや歯ごたえを残した揚がり具合が、私好み。
そりゃもちろん、アスパラガスの「若い香り」が口の中に広がりまくり。
ついでに口内大火傷しました。


鱚。
普段頂いている鱚より、味が濃いです。本当に。
いつもならあっさり感じる風味が、口内から鼻にかけて、むわんと吹き抜けました。
何故?


スミイカ。
身は1㎝以上あろうほど分厚いのに、サクリと歯が入ります。
子供に一口あげたら、全部取られました。


穴子。
もうですね、
「日本人に生まれて良かった~!」
って気持ちです。
外はサクサクで中はホクホクで、穴子の香り・・・ほら、あの穴子の香りですよ!
あの香りが濃厚に立ち上るんですよ!!
うう。香りを言い表せない自分が口惜しい。
「揚げる」という工程は、香りとか味をギュっと閉じ込めるのですね。
この日はつくづくそれを感じました。


これはコースではなく、お好みで注文した、牡蠣です。
牡蠣の揚げ物と言えば「牡蠣フライ」しか浮かびませんでした。
盲点です。
これがかなりポイント高く。
パン粉とか卵の味がない直球勝負、しかも熱と油で旨みが増しているので、牡蠣フライよりも向いているかもしれません。
美味しかった~・・・。
※ここには載せきれませんでしたが、この他、コース内で「玉ねぎ」を頂き、お好みで「帆立」「公魚」「椎茸の海老信薯」を注文いたしました。


締めは、ご飯と赤出汁とかき揚げ。
このかき揚げを使った「天丼」もしくは「天茶」に変更することも可能です。
かき揚げの具は、海老と貝柱。
外側はサックリですが、内側は他の種に比べると、やや「もっちり」。
ご飯に馴染みやすいようにしているのかな・・・と、ふと思いました。


ちなみにこちらは、子供用の天丼。
小学2年生の子供のため、
「お好みとご飯とおみおつけ(味噌汁)だけでも良いですか?」
とお聞きしたところ、
「では、お好みの天ぷらで、小さい天丼を作りましょうか」
とのお返事。
びっくり。
まあ正直言って、「一流店」と呼ばれるお店ほど融通がきかなかったりするものですが。
このおおらかな対応に、嬉しくなりました。
天ぷらは、鱚とかき揚げとサツマイモ。
子供は天丼とおみおつけを完食し。
さらに、私の才巻海老と私の穴子の半分と、私のアスパラ一口と、前述したように私のスミイカの殆んどを平らげ、さらに私のご飯まで半分近くまで食らいつくし、お腹をはち切れんばかりに膨らませ、
「はー・・・美味しかった・・・」
と嘆息したのです。
こんなに満ち足りた声は、久しぶりに聞きました。
なので、母的には「取られた感」があるものの、良しといたしましょう。
ご馳走様でした[#IMAGE|S58#]
銀座 天一
住所 東京都中央区銀座6-6-5
TEL 03-3571-1949
営業時間 11:30~16:00
   16:00~22:00
定休日 年中無休(但し1月1日は除く)
     12月31日、1月2日の営業時間
     11:30~20:00(L.O.19:00)