おそらく夏のイベントなどを含めると、20回以上くらいお邪魔していると思います。

おととい、雨の『朔』。
アンジェラ、ありがとう。
今回はおりおり夫妻と、なんと偶然、『VISON』内の某お気に入り店の店長のお母様たちとご一緒となりました。
三重県、何かと知り合いに遭遇する率が高いです。

食前のお飲み物。
八朔生搾りジュース。
八朔は4月まで実らせておくと、甘みが増すそう。
それ以降だと苦みが勝ってしまうのだとか。
けっこう酸っぱいのですが、不思議なことに酸味の奥から甘みが来ます。
胃が刺激される感じがします。

なんだか、昨日はすごかったのですよ。
あ、いつもなんだけど。
でも、前菜から、オーラが漂っているというか。

茄子のオランダ煮の上に牛肉。
実は『朔』で牛肉を使うって、ほぼないんですよ。
この牛肉は、津市内にある『鈴木牧場』で『山地酪農法』で育った『エフお』。
※『鈴木牧場』と『山地酪農法』と『エフお』については、一番下に追記します。
とても食べたかったのです。
『朔』さんが仕入れたのは知っていましたが、まさかこの日食べられるとは。
すごい。
牛とは思えない力強さ。
アスリートのような締まった肉。
硬い・・・というか、筋肉そのもの。
そしていつまでも噛んでいられて、いつまでも味が出てくる。
すごい。
すごい。
食べている間中、「すごい」しか出てこないくらい。
新しい平野を切り開いているんじゃないだろうか。
とまで思ってしまいました。
あ、エフおだけがすごいみたいに書いてしまいましたが、全体の統一感というか、すべての素材がすごいです。
鯛の白子、雲丹きんとん、茗荷竹、そこに土佐酢のジュレですよ。
これだけ個性の強い素材を組み合わせて、どうして全体として『美味しい』になるのか、不思議です。
味の想像力、なんでしょうね。

左に見えるのは胡麻豆腐。
焼いて仕上げてあるので、外はパリ感があり、中はとろとろのアツアツです。

右はおひたし。
小松菜、春菊、原木椎茸。
上に散っているのは、マグロの削り節である『糸がき』。
カツオよりも旨味が柔らかいです。
いつもながらの味わい。

紀伊長島からの『ケンケン鰹』。
網漁ではなく、1本ずつ釣り上げた鰹です。
うわ。
鮮度と熟成度が絶妙な塩梅。
いや、本当に。
捕れたてのピチピチで硬い身から、熟成に向かった刹那の味。
これは、今までいただいた鰹で、一番かも。

蕨、フキ、八知玉蒟蒻、鮑の当座煮。
上には豆腐の白和えの『白』が乗っています。
優しい・・・素材そのものに、ちょっとだけ味を付け足したというか。
素材の良さを、しみじみと味わうことができます。
あと、鮑の柔らかさにびっくりしますよ。

アマゴ。
1時間ほど炭火でじっくり焼いてあるので、きれいに水が抜けて、香ばしさと甘みのみ。
サクサク。
骨まで残らずいただくことができます。

圧巻。

新玉ねぎのすり流し
サゴシ(鰆の稚魚)
鈴木牧場のモッツアレラチーズ
そら豆
そら豆の蜜煮
米団子
山葡萄を使った国産のバルサミコ酢
ジャバラ

先ほど、前菜でも書きましたが、どうしたらこの味の組み合わせを想像できるのか。
そしてそれを実現できるのか。
素晴らしく美味しい。
そして食べつつ考えさせられます。

メインは3歳雌の鹿肉。
こっちが牛肉かな?と思うくらい、柔らかい!
甘い!
野生の鹿でさえこんなに柔らかいというのに。
エフおはどんな環境で生き抜いてきたのだろうか。
と、またしても美味しさだけでなく、命とか、生きることとかについて考えます。
そのくらい、どれも尊いです。

自家製不耕起栽培の白米、あおさのお味噌汁、糠漬け。
最後まで美味しい。

お焦げ。
お焦げに醤油
最後は鹿肉のしぐれ丼。
どんだけでもご飯が食べられて、危険です。

デザートは隣のお部屋に移って。
ニッキのゼリーと豆乳プリン。
ニッキも自家製です。

小豆のクッキーと、ツユクサのクッキー。
ツユクサは不思議な風味。
それにしてもツユクサ・・・童話の世界のようです。
お茶はお店の前の茶畑で摘んだ新茶。
淡くて、甘くてとても美味しいです。

最後に。
鈴木牧場とエフおについて。
思いの深さに、読んでいて泣きそうになりました。

ご馳走様でした(*^^*)

日本料理 朔
住所 三重県美杉町八知3541
TEL 080-6928-3939
営業時間  11:30〜と13:15〜の2回
定員 各回6名様まで(完全予約制)
価格8500円(税込み)のお任せコース 
定休日 水、木、金曜日(詳しくは、HPの予約表のページをご覧下さい)