11月22日。
私が住む、三重県津市でこの日初めて、料理とリーディングのコラボレート『M-PAD』が開催されました。
『リーディング』とは、ヨーロッパで、若手(まだあまり仕事が無い)の俳優による、練習と収入を兼ねて、レストランなどで行われる朗読劇。
彼の地では、すでに定着しているそうです。
この日から4日間、津市内のお店で、『M-PAD』を開催いたしました。
演目とお店をご紹介すると。
22日 『春は馬車に乗って/横光利一』*中津軒
23日 『赤い部屋/江戸川乱歩』*cafe Hibicore
24日 『よだかの星/宮沢賢治』*塔世山 四天王寺
25日 『赤い太鼓/太宰治』*割烹 両口屋
26日 4作品一挙公開(ただし食事なし)
というラインナップ。
ちなみに『M-PAD』は、今回の造語だそう。
Mは三重。PADは・・・某Padにちなんでとか・・・ゲフンゲフン。


しょっぱなを飾る『中津軒』。
料理とリーディングのコラボって?一体どんなイベントなの?途中で寝ちゃったらどうしよう・・・。
全体像が見えないので、かなりドキドキ。
先入観を持ちたくないので、この日の出し物『春は馬車に乗って』も、あえて読まずに来ました。


左右二葉に、料理メニュと朗読メニュ。
朗読メニュには、演出家さんと出演者の名前が明記されています。
お料理をいただきつつ朗読を・・・?と思ったら、お食事を楽しんだ後、リーディングだそう。
確かにお客さんがバクバク食べている横で演技するのは、つらいですよね。


まずはお食事・・・の『ポタージュスープ』。
チキンと香味野菜から取ったブイヨン・・・それから、玉ねぎや人参やじゃがいもなどで丁寧に作った、ポタージュスープ。
ほのかにチーズの風味もいたします。


『メアベア』&『ライス』。
実は、この『中津軒』さんは、津の「三大洋食店」の一軒。
つまり、超老舗です。
しかし、ここの名物である『メアベア』を知っている津市民が、今現在、どれだけいることか・・・。


『メアベア』アップ。
ほんとに美味しいんですよ!
ハッシュドビーフに似ていつつ、ビーフシチューっぽい味でありつつ。
そしてけっこう、あっさりしつつ。
何故か肉は、牛・豚・鶏と仲良く入っていて、玉ねぎ多めの半熟卵焼き必須。
ありそうでない料理。
コレをご飯に乗っけんのが最高に美味しいのに、この日はお客さん誰もが借りてきた猫のようで、そんな蛮行をせず。
私?
もちろん乗っけようとしましたが、周りを見回して、我慢しました(笑)。
でも、ホントは乗っけてまぜまぜして食べるべきなんですよ!


デザートの『レアチーズケーキ』。
アーモンドプードルなどが入り、ずっしりとしたタルト地に、二層のムース層。
下はふわふわ、上はすでにクリーム状!
かなり大きめなカットなのですが、軽い口当たりなので、あっという間に食べ終わっちゃいました。


食後のコーヒーが供された所で、リーディングが始まりました。
横光利一作の、『春は馬車に乗って』。
聞き入りました。
最初の、いわゆる『ナレーション部分』で、聞いている人を一気に作品の世界へ引き込み。
原作のままではなく、セリフなどは増やしているのでしょうか。
登場人物の会話の、声のトーンや強さ、柔らかさで、作品の中に身を置いているような気持ちになります。
あっという間の40分間。
真剣に聞き入り、その世界を自分の中に創り上げたので、頭はクタクタです。
違う世界に連れて行かれ、今ようやく戻ってきたかのような覚醒感。
本を自分で読むより、(映画など)映像を見るより、より深い作品世界に触れられた気がします。
久々に感動しました。
ああ、全作品聴きたかった・・・。
津あけぼの座さん、三重県文化会館さん、是非、来年もM-PADを開催して下さい!
ご馳走様でした[#IMAGE|S58#]
中津軒
住所 津市中央5-5
TEL 059-228-2748
営業時間 11:00~14:00
       16:00~21:00
定休日 日曜日