事の発端はFacebookで、

「朔に行きたいなあ。
でも予約が取れないなあ」

と呟いたこと。
すると友人のアンジェラが、

「20日に席、予約してあるよ、6人分!
行く?」

と誘ってくれたのです。
行く、行くよ、もちろん!
アンジェラは行く人が決まっていなくても、とりあえずお店に行ったら次回の予約をして帰るのだとか。
どんだけ『朔』が好きなの。
でも気持ちはわかる。

 

というわけで来ました。
謎のメンバー。
左から発起人のアンジェラ、『キャンプバー・ランタン』のマスター水野っち、私、『串揚げ まるう本店』の藤井夫妻、そして夫。
画像を見るとわかりますが、アンジェラといいつつ、れっきとした日本人。
なんでアンジェラなのか、私は知りません。
ていうかアンジェラのインパクトが強すぎて、本名すら忘れがちです。

 

『日本料理 朔』はお邪魔する数日前、ミシュラン東海版に『ビブグルマン』として掲載されました。
おめでとうございます。

 

はっさくのジュース。
爽やかな酸味。
お腹が空くぅぅぅ。

 

お飲み物メニュ。
ここに来ると、本気で!五感を使って!フルに味わいたいので!
お酒は飲みません。
夫、好きなだけ飲んでください。

 

毎度、ブロガー泣かせな美しさ。

 

見せ方的には、こちらのほうが美しさが際立つかな。
あ、もちろん美しいだけではなく、美味しいのですが。

 

左は紀伊長島のサザエに筍、わらび、コゴミ、山ウド、そら豆、雲丹きんとんにミョウガダケ。
すべてにうっすら下味がついていて、単品でいただいても美味しく、雲丹をちょんと乗せるとなお美味しい!
なんていうの、奇跡の組み合わせというか・・・。
素材力と、それを活かした調理の勝利です。
みんな一口食べるごとに、「・・・」と唸ってしまう感じ。

右はトマトの蜜煮に苺のソース掛け、上にフレッシュチーズを乗せて、トマトの皮を天日干ししてオーブンで焼いたものが添えられています。
このルックスと料理、どうみてもデザートでしょ?
確かに甘いのです。
でも甘いのだけど、しっかり前菜なんですよ!
不思議すぎる。
甘いのにトータルするとデザートではなく前菜的な味わい。
全員そう感じたようで、「なぜ?」「なぜ?」の嵐でした。
あああ、実食して欲しい!

 

あまごのお寿司にあまごの卵を乗せて。
大洞山のにんにくの芽。
お茶の葉の天麩羅。

アマゴの身がねっとりしていて、そりゃあもう・・・。
にんにくの芽は、お出汁で味付けしてあるのかな。
しめじだけの当座煮と和えてあり、上に乗っているのはマグロの削り節。
香りは強いものの全体として優しい味わいになっています。
右は春菊豆腐。
焼いて仕上げてあり、上に新茶の素揚げが乗っています。
春菊の香りが強く、食感も豆腐よりももっと強い感じです。

 

ここで日本酒に移行する男性陣たち。
酒器が素晴らしい。
こちらで使われている器はほとんど、奥様で陶芸家の佐知子さんが作ったもの。
なんだろう・・・料理と器の世界観が、驚くほど寄り添っているのです。
この酒器も、ここの場所でここの料理があるからこそ、一番映える気がします。

 

あまごの塩焼き。
炭火で丁寧に丁寧に焼き上げているので、綺麗に水分が抜けて頭から食べられます。
いつものように、左利きのM子仕様になっているのがありがたいです。
こちらのあまごは、噛むと甘いんですよ!
水分が綺麗に抜けているため頭がサクサクになっていて、お菓子のような香ばしさを感じるのです。
そして身はしっとり。
ああ、この美味しさをもっとちゃんと言葉にして伝えたい。

 

あまりの美味しさに一同どよめいた一品。
一言で料理を説明できません。
香良洲産の穴子の黄身衣揚げ。
下には道明寺と新玉葱、モッツァレラチーズ、しめじ、筍、実えんどう。
上に盛られているのは、クレソン、葱、みょうが、大葉。
味付けは山葡萄で作られたバルサミコ酢。
山のものと海のものを使い、『水のはじまりとおわりの料理』を表現したかったのだとか。
もう、口の中の味わいが脳の理解を超えています。
でも美味しい。
美味しい。
おそらく読んでいる人も、味の想像がつかないと思います。
下の白い部分、道明寺が入っているのでもちもちしているんですよ。
そこに穴子と薬味を合わせて頬張ると・・・すべての味にきつさがないので、繊細に何層にも重ねられた調和を感じます。
目を閉じてすべての感性を集中したほどでした。

 

罠師の古田さんが仕留めた鹿。
3歳のメスを2週間熟成させたものです。
下には鹿の旨味をたっぷり吸った大根。
そして炭火で焼かれた玉ねぎ、筍、椎茸、コシアブラの天麩羅。
口に入れると、「ああ、三重に住んでいて良かった」と感じます。
素材がどれも素晴らしい!
いつもながら、鹿が美味しすぎてもはや『ジビエ』だということを忘れます。
そして玉ねぎの甘さ、筍の鮮烈な味わい、肉厚な椎茸の旨味、山菜の女王コシアブラ!
この地で採れる美味しいものが、一皿に凝縮されています。
食べ終わるのがもったいなかったです。

 

私が大好きな器に盛られたお漬物。
でもこの日は、他の人のもの。

 

でもいいんだ。
どの器でも美しく、そして美味しい。
無農薬天日干しのお米、あおさのお味噌汁、ぬか漬け。

 

お焦げはサクサクとしていて、香ばしい。

 

食後は隣のお部屋に移動して、デザートのニッキ水のゼリー。
口に入れると水のように溶けます。

 

最後は『節知』さんのお菓子。
甘さ控えめで、素朴な味わいです。

この日のメンバーは、相当美味しいもの好き揃いだったため、食事の後半になるにつれ、「食べ終わりたくない・・・」「コレもう一皿食べたい・・・」と呟きだし、最終的には、

『もうワンクール、最初から食べたい』

になりました。
いつか願いが叶うといいなあ。

いつもながら、至福の時間でございました。
またお邪魔します!

ご馳走さまでした(*^^*)

※2019年8月4日より12日まで(8日定休日)通常の日本料理ではなく、鹿カレーと作品展の営業となります。
ご予約はいりません。
なお、通常の営業は9月1日からとなります。
このご予約につきましては、7月からお受けさせていただきます。
それではどうぞよろしくお願いします。

 

日本料理 朔
住所 三重県美杉町八知3541
TEL 080-6928-3939
営業時間 11:30〜16:00
     ランチタイム 11:30〜と13:15〜の2回
定員 各回6名様まで(完全予約制)
価格 4500円(税込み)のお任せコース 
定休日 水、木、金曜日(詳しくは、HPの予約表のページをご覧下さい)